「心古き女」をめざして

人のプライバシーを詮索し、無理に相手から聞き出そうとするのは、無神経で品がない行為です。場合によっては、相手の心を傷つけかねません。ましてや、プライバシーについて噂話をするのは、もっとも下品な行いと言ってもいいでしょう。そういうことをしていると、自然と人が離れていきます。

奥ゆかしい人というのは、他人から信頼されるので、相談事を持ちかけられることも多いかもしれません。そういう場合はやみくもにアドバイスをせず、まずは傾聴し、想像力を働かせて、その人の心のうちを洞察するのが肝要です。

相手は話しているうちに考えがまとまり、自分なりの解決法を見つけるはずです。「何かしてあげる」といった恩着せがましい態度は、往々にして自己満足の表れで、奥ゆかしさとは対極にあります。

「奥ゆかしさ」は、意識さえすれば身につけられます。よろしければ、ぜひみなさんも、「心古き女」をめざしてください。

 

●今月の書「奥ゆかしさ」

「奥ゆかしさ」
(書:美輪明宏)
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美輪明宏 「馬車馬のように働いていても、今よりすべてがのんびりしていた昭和の時代。情報過多の現代は《情報断食期間》で心の潤いを」
美輪明宏 「ゆっくりとしか歩けなくなっても〈すみません〉ではなく〈おそれ入ります〉と先を譲る。優雅な言葉を纏い、人生を前向きに楽しんで」
美輪明宏 「ノー天気さは、生きる強さ。この年齢まで生きてきてつくづく感じる《人生を楽にする》ために大切な感情との付き合い方は」

あなたの人生を導く-美輪ことば」(著: 美輪明宏/ 中央公論新社)

「微笑みは開運の鍵」

「ルンルンルン」

「自分にも感謝を与えてください」

「地獄、極楽は胸三寸にあり」

美輪明宏さんが89年の人生をかけて大切にしてきた言葉が満載!

~~~自筆の「書」とともに綴る愛のエッセイ!~~