(写真提供:Photo AC)
先のことが予測できない時代になってきている今、スポーツやビジネス、教育などにおいて求められる「リーダー像」も変化しつつあります。そこで今回は、元サッカー日本代表監督で、現在は愛媛県今治市の高校「FC今治高等学校里山校」(通称FCI)の学園長を務めている岡田武史さんと、岡田さんと共に教育現場の最前線でリーダー教育に努める教育者・工藤勇一さんによる共著『THE CAPTAINSHIP(ザ・キャプテンシップ):絶望を希望に変えるシン・リーダー論』から、お二人の対談を一部抜粋してお届けします。

子どもたちの主体性は環境次第でどんどん伸びていく

工藤 FC今治高校の学園長になって1年を終えて、どんな心境ですか。

岡田 「楽しい!」のひと言です。教育の仕事は本当にハマりますね。学校で生徒に「最近どう?」と聞いたら、「学校、最高に楽しいです」と、こちらがびっくりするほどいい笑顔を浮かべてくれるんですよ。

この前も、19時頃まで教室から出てこないグループがいたので、「みんな、遅くまで何をしていたの?」と聞いたら、「ここをもっといい学校にするにはどうしたらいいか、話し合っていました」と返ってきて。

表向きは「そうかそうか、ありがとう」と言いながら、内心、“1年生なのにすごいなぁ”と、ぐっとくるものがありました。子どもたちの中にもともとある主体性は、環境次第でどんどん磨かれ、伸びていくのだなと感じます。

生徒たちがいきなり、こちらの想像を超えてきてくれた。工藤先生が学校と子どもたちの話をされる時、表情がとても柔らかくなる理由がよくわかりました。