「ラーメンの鬼」が火付け役

では、このスープにお金をかける文化はどこから来たのだろうか。

その元祖については定かではないが、現代のラーメン専門店のスープにこだわるトレンドの火付け役は、「ラーメンの鬼」と呼ばれた「支那そばや」佐野実さんに他ならないだろう。

佐野さんは、インターネットのない時代から全国を自分の足で回り、その目と舌で優れた食材を探し続けてきた。「支那そばや」のラーメンの誕生から確実にラーメンは進化し、かつての大衆食からワンランク上がった「料理」としてのラーメンに一歩近づいたと言える。

今では名店の使っている食材の情報はインターネットに出回っているし、通販などで手に入りやすくなっている。こうしてさまざまなお店がスープの食材にこだわり出したのだ。