組織を「人」になぞらえる

他方で、会社もまた、ひとつの人格とする見方が、19世紀にアメリカ合衆国で生み出されてから多くの地域に広がりました。「法人」です。英語のcorporationよりも日本語(法人)のほうがわかりやすい。組織を「人」になぞらえたのです。

この考え方に沿うと、どうでしょうか。会社(法人)もまた人間であり、意志をもっているとすると、たとえば、「社風」を理解しやすい。私の乏しい経験に照らしても、転職すると、つまり、法人を移ると、同じ仕事をしようとしても、なぜかやり方が変わります。「社風」が影響していたのかもしれません。

とすると、こうした見方もまた、仕事のやり方につながります。実際、コンビニエンスストアのアルバイトで、仮にレジ打ちという同じ業務を担ったとしても、会社(法人)ごとに、まったく違うはずです。

(写真提供:Photo AC)

重要なのは、あなたが「仕事のやり方は人によって違う」と発見したところです。個人(だけ)が決めるわけでも、組織(だけ)が決めるのでもない。どちらの要素も、それなりに影響しあっている、そんなありようを、冷静に見つめられている証拠だからです。

とはいえ、それがわかったとて、どうしたらいいのか、さらに謎が深まりかねません。