審理主体はあくまでも評定所一座

よく「10両盗めば首が飛ぶ」などといわれ、盗みは重罪でした。

(イラスト:stock.adobe.com)

10両というと、計算が難しいのですが、およそ70~100万円に当たります。現在ならば絶対に死刑にはなりませんが、江戸時代では評定所の審理にかけられ、死罪が申し渡されることがありました。

江戸幕府は「盗み」に厳しかったのです。興味深いところだと「火事場泥棒」や「再犯」にも、厳しい罰が言い渡されました。弱みにつけ込む罪には重罪を、再犯者は更生が望めないので重罪が妥当、と判断されたのでしょうか。

この連載でも以前取り上げた「郡上一揆」などは、この上ない「重大な事件」として、評定所で裁かれました。

その結果、多くの農民が死刑に処される一方で、大名の金森氏の改易も決定されたのでした(大名の改易は、さらに将軍の認可が必要になる)。

ほかに吉田松陰のような思想犯というか国事犯も、評定所の審理によって死罪が決しました。

この場合は、大老の井伊直弼の意向が評定所メンバーに強く示されて、審理はおざなりになったわけですが、それでも審理主体はあくまでも大老ではなく、評定所一座、となるわけです。

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