(写真提供:マガジンハウス)
漫才日本一を決める『M-1グランプリ』。25年度は12月21日(日)に決勝戦・敗者復活戦が行われることが発表されました。そこで過去に審査員を務め、漫才に対する分析が鋭すぎて「石田教授」とも呼ばれる「NON STYLE」の石田明さんが、『M-1グランプリ』についての思いを記した記事を再配信いたします。

*********24年度から「9人審査員制」が採用された『M-1グランプリ』。歴代王者を中心に新しい顔ぶれがそろったなか、注目を集めたのが石田明さんです。今回その石田さんの著書『答え合わせ』から『M-1グランプリ』にまつわるお話を紹介いたします。

賞レースで「ネタ選び」を間違えるワケ

賞レースでは「ネタ選び」がとにかく重要です。

2023年のM-1では、優勝最有力候補ともいわれていたさや香の「2本目」が見ていた人をざわつかせました。

1本目では、淡々と話す石井くんに新山くんがぶつかって、どんどん加熱していくという、さや香らしいネタでトップに立ちました。

ところが優勝をかけた2本目は、ガラリとスタイルが異なる「見せ算」というネタをやった。結果、ファイナルステージでは1票も入らず3位に終わりました。

これが物議を醸し、あちこちから「もう1本、さや香らしいネタをやっていれば優勝できたかもしれないのに……」という声も出ていました。