Qさん本人と面談することに
結局、この面談の後もQさんの勤怠は遅刻が多いまま変わらなかったこともあり、杉田さんから筆者に、Qさんについて相談がありました。ひと通り話を聞いた後、Qさんの遅刻が続いていることについて、どういったことが原因なのか、悩みごとがないかなど、筆者が彼女本人と面談をすることになりました。
Qさんは、話してみると自分の考えをハキハキ話すタイプで、筆者との面談では元気がないという印象ではありませんでした。しかし、出勤日の朝になると、とにかく起床がつらく身体が重い感じがして、起き上がれないほどだということです。このような症状は休日には出ないようで、本人は「たぶん、自分のスキルを活かせない仕事でストレスが限界にきているのだと思います」と説明していました。
また、職場の人間関係について、言いにくいのですが……と前置きしたうえで、「上司(杉田さんのこと)は、私よりも学歴が低いんですよね。でも上から目線な感じが強くて」とも話していました。「杉田さんは、Qさんの上司なので指導する立場だけれど、言い方が厳しいということ?」と聞き返しましたが、「杉田さんでは、私の能力を活かせないような気がします」という回答でした。Qさんとしては、自分が思い描いていた理想の広報の仕事を任せてもらえていないことに、不満を感じていたということでしょう。
Qさんの背景には、自己過大評価(自分の能力を過大に見積もる)や承認欲求の強さがありそうです。また、理想と現実が違うことについて、上司が自分の能力を活かせないという他責思考で、欲求不満を埋めているようでした。この時点では、出勤日は食欲や睡眠などにも良くない影響が出ていたことから、様子を見て精神科への受診も検討することとなりました。
