新型うつ病の社員への対応
新型うつ病が疑われるケースでは、職場側は本人のつらさに共感し、どんな希望があるかヒアリングしながらも、すべて希望通りにすることは避けたほうが賢明です。特別扱いすることで本人の自己愛を助長させることがあり、他の社員との間で不公平感も出てしまいます。上司や人事担当者、産業保健スタッフなどで、就業規則の枠内で可能な対応方法を探って共有し、社内で一貫した方針を取る必要があります。
また、SNSの投稿などについては、本人ときちんと話し合うことが必要でしょう。裏アカについては、それが本人の作ったものだと疑うことで、また別の問題を引き起こす可能性があります。社内の機密事項を漏らしたり、他の社員のプライバシーを侵害したりした場合に対する会社の対応方針など、一般的なルールとしてきちんと説明して、説明した証拠を残しておくことが必要でしょう。
今回のQさんへの対応については、彼女が復職した時点でSNS投稿などの件について、正式に話し合う機会を設けるとのことでした。
※本稿は、『あなたの職場を憂鬱にする人たち』(集英社インターナショナル)の一部を再編集したものです。
『あなたの職場を憂鬱にする人たち』(著:舟木彩乃/集英社インターナショナル)
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