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仕事をさぼる、悪口を言う、態度が威圧的……毎日顔を突き合わせる上司や部下、同僚の困った態度に辟易させられたという経験、少なからずの人が持っていることでしょう。周囲のほうがストレスにやられてしまわないために、対処する方法はあるでしょうか。中小から大手企業まで、300件以上の顧問として多くの迷惑行為を解決してきた社労士の石川弘子さんに、モンスター社員をうまくかわすコツを聞きました(構成=玉居子泰子)

職場の“自己チュー”は確実に増えている

ここ4、5年でしょうか、企業の規模にかかわらず、職場における特定の従業員による迷惑行為や困った行動についての相談件数が、確実に増えています。私が社会保険労務士事務所を開設した15年前には数えるほどしかなかったと思います。

内容については実にさまざまで、パワハラやセクハラといった問題から、上司が若者特有の行動や価値観が理解できないといった世代間ギャップに起因するものまで、多岐にわたります。

たとえば、今の20代は「ゆとり世代」と呼ばれていて、精神的な繊細さが際立っています。空気を読むことを大事にしすぎて、面と向かってはっきり自分の意見が言えず、上の世代には理解しがたい面がある。

なかでも驚くのは、会社を辞めたいと言い出せず、「退職代行サービス」を利用する人が増えていることです。ある日突然出社しなくなり、周りが心配していたら退職代行サービスから電話があって、「本人が退職を希望しているので、離職票と源泉徴収票を何日までに送ってほしい」と言われるケースが近年、相次いでいるのです。

ブラック企業で言い出せないというなら理解できますが、社内の雰囲気も良く、本人も仕事を頑張っていて周囲からも期待されていたし、プライベートでも親しくしていたのに、急に挨拶もないままいなくなる。理由がわからないので会社としてもショックが大きく、引き継ぎができないことで業務に支障も来たしてしまう。

こうした行動は、SNSで簡単に友人をブロックしたり削除したりすることに慣れている若者世代特有のものなのかもしれません。

ただ、若者だけが問題だというわけではなく、30代、40代、もっといえば50代以上で役職につくような人でも、性別問わず自己中心的な迷惑行為で周囲や会社の環境を悪化させている人は多いのです。自分だけは損をしないように行動するとか、周囲と良好な関係を築こうという努力をしない人が増えているのは、全体に余裕がなくなっている世情の表れなのかもしれませんね。