相談先は慎重に選んで

パワハラに関しても同じで、日常的に“指導”としてハラスメントを受け続けていると、「自分がいけないのかな」と洗脳されてしまうこともあります。そんなとき、何を言われ何をされたかという事実を書いて残しておくといいですね。実際にパワハラに当てはまるかどうかを落ち着いて確認し、必要なら、しかるべき機関に相談することもできるからです。

パワハラについては厚労省が指針を出しています。それを見て該当するようでしたら、会社の相談窓口や政府のハラスメント相談窓口、弁護士に相談できる法テラスなどにあたってみてください(※最終ページの相談窓口一覧を参照)。同僚に相談すると、よかれと思って声をあげてくれたことで、かえって職場にいづらくなるなどのトラブルも起こりえます。相談先は慎重に選んだほうがいいでしょう。

ただ、残念ながら、トラブルを起こす相手を変えることはなかなかできません。被害に遭わないよう一定の距離を保つことも大切。上司に訴えても、会社がその人を別の部署に異動させるなどの対応をとってくれるならいいですが、ろくに対処もしてくれないような企業であれば、そんな職場には見切りをつけて辞めるという選択肢もあります。相手も変えられない、仕事も辞められない、とがんじがらめになってしまうと、余計につらくなってしまいます。

心や体に不調が出るくらいなら、その場を離れていいのです。相手に面と向かって文句を言ってもいいし、辞めてもいい。ご自身がどういう行動をとるかは、あなたに選択権があり、自由に決めていいのだということを、忘れないでください。

《職場のモンスターにどう対処する?》

 (1)されたり、言われたりした内容をメモする
 (2)客観的に見直して、“業務上の不利益”にあたるか判断する
 (3)(2)を踏まえて上司(またはしかるべき機関)に報告
 (4)可能ならば本人に毅然とした態度で伝える