誰もが最初からモンスターなわけではない

私はこれまで数多くの企業から相談を受けてきました。直接、トラブルを起こしている本人に話を聞くこともしばしば。そこで気がついたことがあります。それは、誰もが最初からモンスターではないということ。

多くの場合、モンスター的行為をする人は、職場に限らず交友関係や家庭環境などに、何かしらの不安や問題を抱えていらっしゃる。それが職場で理不尽な要求をするという態度になって表れてしまっているんですね。

ですからカウンセリングなどを受けることで、落ちつきを取り戻すこともあります。「誰かに自分の思いを聞いてもらえた」という思いだけで、ある程度、その方の不満が解消されるのでしょう。

ただただ性根が悪い人なんて、実はそんなにはいません。横柄な言動の裏には必ず不安な気持ちが隠れていて、マウンティングの裏には自信のなさがあるのです。それがわかってくるだけで、こちらもおおらかになれるし、「なんでこの人はそんなに自信がないのかな?」と冷静に見ることで、結果、自分も少し楽な気持ちになれるものです。

グローバルな時代になり、これからは海外の人を含め、社会には多様な価値観を受け入れることが求められます。そうして少し自分の考え方、見方を変化させる努力をすることも、“モンスター”になりうる人たちから自分を守るために大切だと思います。

《困ったときの相談窓口》

職場でトラブルに巻き込まれたとき、会社に相談窓口がなかったり、相談したが取り合ってくれない、また会社に相談すると不利益がありそうで相談できない、というときは公的機関による外部相談窓口を利用する方法もあります

◆あかるい職場応援団(ハラスメント対策の総合情報サイト)
 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/inquiry-counter
各都道府県労働局の総合労働相談コーナー、法テラス(日本司法支援センター)、みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)など

◆21世紀職業財団(ハラスメント相談窓口)
 https://www.jiwe.or.jp/harassment/support

◆働く人の悩みホットライン(日本産業カウンセラー協会)
 
https://www.counselor.or.jp/consultation/tabid/298/Default.aspx
TEL03・5772・2183(月曜~土曜 15時~20時)相談料は無料(通話・通信にかかる料金は相談者負担)、相談時間は一人1日につき1回30分以内
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