日本社会は男色を奇異なものとして扱わなかった

日本の歴史を見てみると、白河上皇とか、足利義満とか、織田信長など、実は社会のトップに立つなかに「女性も好きだが男性も好き」という人が多く存在します。

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古代末期のトップ貴族、藤原頼長(左大臣。保元の乱で戦死)の日記である『台記』には、多くの男性との関係が赤裸々に描かれています(これを読むと男性同士の交わりにおけるマナーなどが窺い知れるのですが、それをここで記すのはやめておきます)。

こうした状況は、日本社会が男色を奇異なものとして扱わなかった影響だと思われます。

キリスト教は男色を禁じていますし、イスラム教も原則的にはアウトです。

でも日本の仏教は異なります。