レトルト食品を使って悪いことは何もない

「完璧な介護」を目指す必要はありません。完璧にできていないご自分を責める必要もまったくないのです。「まあいいか」くらいで、ちょうどいいです。

ひとりで在宅介護をしている長女さんが、「3食レトルト食品でごめんね」とおっしゃっていましたが、栄養あるし、おいしいし、食べやすいし、お金だってかけています。十分素晴らしいです。

在宅での介護の良し悪しを「関わっている時間」ではかろうとする声が、たまに外野から聞こえますが、「時間」なんて関係ありません。

「ケアにかける時間が少ない」という理由で、愛情が足りていないと決めつけるのは大まちがい。

単純にケアにかけた時間で愛情をはかることはできません。

スマホが充電されるように、ただ時間をかければ愛情が蓄積されるわけではないから。

 

たとえば、一緒に食事をする時間が短くても、そのひとときを大切にする家庭もあれば、オムツ交換はすべてヘルパーさんに任せて、買い物には必ずお母さんも連れて行く息子さんがいたりします。

老人ホームに預けていても、衣替えの季節になると必ず衣服の入れ替えをしに来てくれるご家族もいます。

 

愛情の表現方法や感じ方は、十人十色。どの介護者も、自分なりの方法で介護に全力を尽くしています。

ケアを必要とする人の顔を見るだけでも、それは立派な介護。「愛情不足」という無責任な言葉に心を痛めないでください。それぞれの愛情の形で、自信を持って介護してください。