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そんな状況を知ったデイサービスの職員が、地域包括支援センターに相談し、息子さんへの支援が始まりました。

当初、息子さんは「どうしても家でみたい」という気持ちを繰り返し口にしていました。しかし、包括支援センターの職員や介護職員との何度もの話し合いを経て、最終的にお母さんを施設に預ける決断をしました。

この決断は息子さんにとって非常につらいものでしたが、それでも「お母さんにとっていい環境を」と施設入居を決断しました。

施設入居後、状況は大きく変わりました。息子さんは週末にリモート面会を利用してお母さんと会話を楽しむようになりました(当時はコロナ禍で直接の面会ができませんでした)。「この写真、見えるけ?」と昔の写真を見せながら、ふたりで笑い合う様子は本当に幸せそうでした。

母親も以前より穏やかな表情を見せるようになり、施設の職員たちもその光景に癒やされるほどでした。息子さんの明るい笑い声は、廊下にまで響いていました。