プリントを託されて

ある日、周平君が学校を休んだ。

奇行に走るようになってからも登校はちゃんとしていたので、珍しいなと思ったおぼえがある。

壮亮さんは担任から周平君の宿題プリントを託された。家が近いのだからおまえが届けろというわけだが、一人で行くのはいささか心許ない。

それで壮亮さんは、当時仲の良かった同級生の豊君についてきてもらうことにした。気乗りしない壮亮さんにひきかえ、豊君はむしろ興味津々といった様子で、

「あいつの家、どんな感じなのかな? お経のTシャツを着てるくらいだし、家中にお札が貼ってあるとか?」

などと軽口を叩いている。