接客の本質を忘れていませんか?

心がとても揺れて、気持ちの整理がつかないまま、翌日、この日に感じたことを店長に伝えました。

周りの方々を巻き込み、心配をかけてしまったことを今思い出しても本当に情けなく思います。

しかし、長いトンネルから抜け出す方法が全く見つからず、一度「辞める」と全てを失うところまで行ったからこそ、本当に大切なものや自分の感情に出会えたのだと思います。

あの時、真剣に向き合い大切な教えをくださった上司や、この仕事をやっぱり続けたいと伝えた時に、心からホッとして喜んでくれた店長には感謝しかありません。

数字や実績ばかりを追い求めて、結果的に自分を見失いかけた時、私を救ってくれたのは「接客が好き」という想いでした。

もし今、数字に追われて苦しくなっている方がいたら、自分を責め過ぎずに、「なぜこの仕事に就いたのか」「どんな接客を楽しいと感じていたのか」を思い出してほしいです。

苦しくなった時に救ってくれるのもまた、いつかの接客の記憶だったりします。

その時の感情を思い出してまた、接客の楽しさを取り戻せることを願っています。

※本稿は『「自分」というブランドを売る 元ルイ・ヴィトン トップ販売員が大切にしてきたこと』(大和出版)の一部を再編集したものです。

 

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「自分」というブランドを売る 元ルイ・ヴィトン トップ販売員が大切にしてきたこと』(著:土井美和/大和出版)

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