美しい言葉使いで接客する(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)
国内のルイ・ヴィトンで販売員として活躍し、11年目には顧客数で全国1位を記録した土井美和さん。その接客スタイルは、目の前の商品だけでなく「お客様の未来」を見据えたものでした。「販売員は、商品を売る人ではなく、ブランドの世界観を伝える存在」。そう語る土井さんが、自身の経験をもとに、言葉遣いや身だしなみ、所作に込めた《接客の極意》を綴った著書『「自分」というブランドを売る 元ルイ・ヴィトン トップ販売員が大切にしてきたこと』から、一部を抜粋してお届けします。

美しい言葉遣いは、いつも現場で学んだ

私がルイ・ヴィトンに入社した当時は、入社後すぐに一ヶ月間の研修がありました。

学生から社会人になったばかりの私たちは、そこで言葉遣いや身だしなみ、所作を始めとした多くの知識を学びました。

販売員時代に私が追求し続けた「顧客づくり」は、このような知識だけでは十分でないと後に知ることになりますが、ラグジュアリーブランドの販売員としての「あるべき型」をとことん教えていただいたことは、私の財産になっています。

なぜなら、「型破り」というのは、型を知らなくてはできないからです。

一番初めにあるべき型を学んだからこそ、型通りの丁寧な接客が必要な時と、少し崩したほうが喜ばれる時と、振る舞いを自ら選択できます。

それが結果として、幅広い層のお客様に喜ばれ、リピートに繋がっていったと思うのです。