身だしなみで、ブランドの世界観を表現する
私が入社した2000年頃のルイ・ヴィトンでは、プレタポルテ(洋服)やシューズの展開がようやく広がり始めていました。
カテゴリーが増えても変わらないのは、「主役は常に商品であり、私たち販売員はいかにそれを引き立たせるか」という姿勢でした。
たとえば、制服を清潔に美しく保つことはもちろん、ヘアスタイルやヘアカラー、ネイルカラーにも細かな基準があり、細部に渡って「ブランドイメージ」を壊さないように指導されました。
入社時研修では、女性スタッフはメイクアップアーティストの方からメイクの仕方を教わり、男性スタッフは靴の磨き方の講義を受けたことも。
時代と共に、ファッションブランドとして、そのシーズンに合ったメイクもするようになりましたが、個人の自由で好きなものを身につけたり、好きなカラーにすることはありませんでした。
販売員はあくまでも、「ブランドとして世界観を表現するための一部」という考え方は、昔も今も変わりません。