場所がら、年齢層はわりと高めで観光客も多い(写真提供:松崎桃子さん)
パリに対して、「洗練されたおしゃれな街」というイメージを抱いている人も多いかもしれません。しかし、毎年のようにパリでひとり旅を楽しんでいるという構成作家・松崎桃子さん(崎はたつさき)は、「わたしが知るパリは、もっと奥深くてカオスでおもしろい!」と語り、「これまでにない楽しくて新しい最高のパリの歩き方」を提案しています。そこで今回は、そんな松崎さんの著書『新しいパリでしたい100のこと~ガイドブックに載っていないパリひとり旅』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。

「ジャックマール・アンドレ美術館」のカフェ

言うまでもなくパリには、カフェがあちらこちらにあって、たとえば、モンパルナスの「ル・ドーム」やサン・ジェルマン・デ・プレの「カフェ・ド・フロール」や「レ・ドゥ・マゴ」といった、かつて芸術家や作家たちが通った有名なカフェや、映画『アメリ』で主人公アメリが働いていた「カフェ・ドゥ・ムーラン」なども人気です。地元の人しか行かないような通称「おやじカフェ」も渋くていいんです。

どこのカフェでもたっぷりとパリを感じることができるのですが、ここでは、外観からはわからないけど、ひっそりと潜む、でも雰囲気よし、味よしのクオリティが高い「秘密のカフェ」をご紹介します。

8区、オスマン通りに建つ「ジャックマール・アンドレ美術館」は、19世紀に偉大なコレクターであった夫婦が暮らした邸宅。フランス、イタリア、フランドルの絵画、美術工芸品や家具など、どれも最高級品が収蔵されています。

そんな夫婦のコレクションを鑑賞するのもいいのですが、この美術館に併設されているレストラン&サロン・ド・テ「Le Nelie(ル・ネリー)(「Nelie」の一つ目の「e」はアキュート・アクセント付き)」で、優雅な気分にひたるのはいかがでしょうか。美術館の入口には、入場を待つマダム&ムッシュたちであふれていますが、「レストランだけ利用したい」と警備員さんに伝えると通してくれます。