大老と管領の違い

室町幕府の職制に「管領(かんれい)」があります。将軍を輔佐して、軍事と政治の統轄に当たる、もっとも重い地位です。

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これについては「管領に就任するのは斯波、畠山、細川の三家に限られる」と説明し、違和感はありません。

大老と管領。どちらも幕閣で最高のポジションであることは変わらないのに、何が違うのか。

まず、管領は常に一名がその任にあります。

これに対して大老は、律令が定める太政大臣と同じく「則闕の官(そっけつのかん)」です。

「その人にあらずんば則ち闕けよ」適任者がいないなら、あいたままにしておけ、という性格の職位です。