人口約8300万人のうち、新型コロナにより4月29日現在で16万59人が感染し、6314人が亡くなったドイツ。だがここまでメルケル首相の指揮の下、感染対策で成果を上げており、規制を一部緩和し始めた。特に注目されるのが、手厚い補償制度だ(文=田口理穂)
「1人1カート」で入店者数を把握するスーパーも
ドイツではレストランや一般店舗、学校が扉を閉ざして1ヵ月以上経った。人々はそれなりに慣れてきたようだ。ジョギングなどの個人スポーツや散歩、サイクリングは許されているので、森が大好きなドイツ人にはぴったり。少人数で川べりの芝生に寝転んで春の光を楽しんだり、家族で散歩したりする姿が見られる。
新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、人々の接触を減らす「接触制限措置」を実施しているドイツ。
3月16日の週から学校や幼稚園、学童保育、役所、図書館、映画館、博物館、娯楽施設、飲食店、一般小売店(食料品店やドラッグストア、スーパーを除く)を閉め、国境の封鎖を始めた。翌週からは美容院やマッサージ店も閉店。
家族以外とは1.5メートル以内に近づいてはならない。パーティなどの集まりは禁止。スーパーでは店舗面積に応じて、一度に入れる人数が定められている。店舗内の人数を管理しやすくするため、必ず一人一台カートを押すように義務づけているスーパーもある。
これらの政策により感染者増加は抑制されたとして、4月20日から800平方メートル以下の小規模店の営業が再開した。車両販売店と自転車販売店、ホームセンター、書店は規模に関係なく営業できる。27日からは、段階的に子どもたちが学校に通い始めた。