音読は“脳の総合エクササイズ”
辰巳:『おんどくドクドク』は、認知症が気になり始める世代の方々を主な対象として制作された曲ですが、実は私の5歳の姪も、いつも楽しそうに歌って踊っています。対象年齢にかかわらず、自然と身体が動き、言葉に触れられる魅力がある曲です。
私見ではありますが、音読は発達段階にある子どもたちにとってもとても重要で、言語発達を支える大切な刺激になると考えています。
そうした意味で『おんどくドクドク』は認知症予防のためだけでなく、子どもたちの言語の成長を応援する歌にもなり得るのではないかと感じています。
音読というと、一見シンプルな行為に思えます。しかし実際は、「文字を目で見て、内容を理解し、声に出し、その声を自分の耳で聞く」という複数の認知機能を同時に使う、とても高度な知的活動です。
最近の研究では、音読は教育歴に関係なく、認知機能の維持・改善に役立つことが報告されています。さらに、特別な道具を必要とせず、経済的な負担もほとんどないため、誰でも日常生活に気軽に取り入れられるというメリットがあります。
こうした点を踏まえると、“声に出して読む”という音読は、脳の働きを整え、活性化するうえで非常に優れた方法──まさに「脳の総合エクササイズ」と言えるかもしれませんね。
沼尾:だれもが年を重ねていきます。自分らしく、やりたいことがやれる、笑顔で毎日が過ごせる。音読体操を通して、元気で素敵な笑顔の人が増えてくれれば、こんな嬉しいことはありません。
テツandトモ「おんどくドクドク」
自身が脳梗塞から失語症となり、「音読トレーニング」によって奇跡の回復を果たしたフリーアナウンサーの沼尾ひろ子さんが作詞を手掛けたこの「おんどくドクドク」は、沼尾さんが考案した「音読体操」をもとに「ぴーぱっぱ」「じーざっざ」「きーきゃっきゃ」といった歌詞を実際に歌う(声に出す)ことで、脳への刺激を与え認知症予防に効果が期待できます。
舌や顔の筋肉を動かす不思議な言葉の発音や、「青井(あおい)さん、青井(あおい)さん、葵(あおい)のご紋(もん)は あいうえお」、「やえやまの よいやみに ゆめみごこちで やいゆえよ」といった五十音別の言葉遊びがたっぷり入ったこの歌を歌うのは「なんでだろ~」の歌ネタと、表情豊かな「変顔」で子供から大人まで大人気のお笑いコンビ「テツandトモ」。
物忘れや認知機能の衰えが気になる大人世代が“青春時代”を思い出す「ディスコサウンド」にのせて歌います。
■各音楽配信サイトにて配信中
https://tetsu-and-tomo.lnk.to/ondoku


