足裏のマッサージを受けたときに痛かった経験はありませんか? それはリンパの滞りが原因かもしれません。実は足裏だけでなく、手でもリンパの流れを改善できるのです。手のひらや手の甲を押すことで、気軽に不調の改善が期待できます(構成:島田ゆかり イラスト:ながのまみ)
手のひらは健康状態を映す鏡
手には約1万7000本もの末梢神経が張り巡らされており、それらは目や耳鼻、首や肩、消化器や呼吸器など各臓器や器官につながっています。特に末梢神経が集中している場所を「反射区」といい、手には80ヵ所以上の反射区が存在するのです。
反射区には、臓器や器官の状態があらわれるので、手のひらは、いわば「健康状態を映す鏡」のような存在。反射区を押して痛いときは、対応する臓器のリンパや血液の流れが滞っていることを示し、弾力がなければエネルギー不足、硬く張っていれば、器官に滞りがあるサインです。
また、反射区が赤みを帯びていれば過剰に働いている、白はエネルギー不足、紫は不要物が溜まっている、まだらは自律神経が乱れていることを示します。次ページで主な反射区をご紹介しますので、それぞれの箇所の色や状態を観察してみてください。
各部位の滞りを解消するには、反射区を7秒間ギューッと押して、パッと離すだけ。すると、神経を介して対応する臓器や器官に刺激が伝わります。そしてリンパや血液の流れが良くなり、臓器が温まることで不調の回復が期待できるのです。
臓器に血液が行き渡ることで酸素や栄養素が届いて体温が上がり、免疫力や自然治癒力も高まります。実際、手を揉んで体が温まり、冷えが改善したという人も少なくありません。