心と体は表裏一体のもの
秋吉 先生のお話は論理的でとてもわかりやすい。理系出身なればこそ、かもしれませんね。大学院で理工学を専攻されたのに、どうしてこの道に進まれたのですか。
瀬戸 もともと自分が不調を抱えがちで、中学1年のときにぎっくり腰になり、その頃から坐骨神経痛もあって。どうしてこうなのかな、どうすれば調子がよくなるのかな、と考えるなかで、自然に東洋医学への関心が高まっていったんです。
薬膳を学び、食事に気をつけるようになってから、体調も改善していきました。昔は精神面でもネガティブだったけれど、今思えば気血が不足していたんですね。
秋吉 体と感情は連動しますよね。私は調子が悪いと怒りっぽくなります。元気なときならなんでもないことでも、胃が痛いときはすごく腹が立つ。(笑)
瀬戸 そもそも体が不調ということは、すでにストレスが内在しているわけで、そこで踏ん張らなきゃいけないのはつらいことですよ。秋吉さんは、ご自身の不調のサインに敏感ですね。先ほども「雨が降る前に眠くなる」とおっしゃいました。
小さな気圧の変化に体が反応していることに気づけている。これが大切なんです。自分をないがしろにしていると、だるいのはいつものこと、怒りっぽいのは性格、などと、後から理由をつけてしまう。
秋吉 自分のコンディションに気づければ、他人の不調にも敏感になれて人間関係のストレスも減るかもしれませんね。この人は怠け者なのではなくて、血が足りないんだ、と思えるから。
瀬戸 それで自分がラクになる面もありそうです。年齢を重ねれば内臓の代謝はどうしても落ちてきますから、体調に意識を向け、毎日の生活の中にめぐりをよくする習慣を取り入れることが、高い免疫力を保つポイントです。