「みなさん、出すことばかり考えがちですが、本来は入口で不要なものを減らしたほうがいいんですよ。デトックスしなくてもいい体づくりを目指すべきなんです」(瀬戸さん)

デトックスしすぎに注意して

秋吉 よくわかりました。食生活のほかに、おすすめの習慣はありますか? たとえば、汗をかいてデトックスするとか。

瀬戸 デトックスだといって、冬なのにサウナなどでガンガン汗をかく人がいますが、実はこれはあまりよくありません。

秋吉 え? てっきりめぐらすというのは汗をかくことかと。

瀬戸 冬場に汗をかきすぎると、温めているつもりが冷え性を促進させてしまいますし、汗と一緒に気も出て行ってしまいます。

秋吉 何でも出せばいいというものではない?

瀬戸 はい。やみくもなデトックスは、たまっているものと一緒に必要なものも排出してしまう可能性があります。

秋吉 えー、いらないものだけを出す方法はないんですか?

瀬戸 そのためには何を食べるかを含めた、食習慣全体への修練が必要です。みなさん、出すことばかり考えがちですが、本来は入口で不要なものを減らしたほうがいいんですよ。デトックスしなくてもいい体づくりを目指すべきなんです。

秋吉 勉強になります。くすみ、たるみ、しわなどの肌トラブルも、めぐりの悪さによるものですか。

瀬戸 そうです。肌の新陳代謝に必要な材料が血液の流れにのって運ばれることで、古い細胞と新しい細胞が入れ替わるんです。つまり、血液が少ないと代謝されない。肌だけではなく、血行不良からくる肩こり、冷えやのぼせなども、血液のめぐりが悪くなり老廃物がたまったことによるものなんです。

秋吉 あらゆることはめぐらせなくてはいけないのですね。モノも人間関係も、滞るとうまくいかないし。なんだか、人生そのものみたいですね。

瀬戸 まさに、その通りです! 東洋医学では、心と体は表裏一体のもの。そして心と体が元気であれば、新しいことにもチャレンジできて、生き方も変わってきますよね。秋吉さんは今、何かチャレンジしていることはありますか?

秋吉 哲学教室に通っています。自分の人生を死から逆算していった時に、死生観を養うことが大事だなと思ったことがきっかけなんです。歌えよ踊れよの人生もいいけど、死ぬ前に、自分の生を突き詰めて考えることをしておきたいなと。私にとって一つの終活なんです。

瀬戸 体と思考とのバランスが素晴らしくいいですね。自分の可能性を信じて、持っているものをすべて使っていらっしゃる。ぜひ東洋医学の考え方も取り入れて、これからも元気でご活躍ください。