蔦重は変わらないんだろうな
四十六回の冒頭で、蔦重の奥さんであるていさんとのやりとりを踏まえて、「世の中、好かれたくて役に立ちたくて、てめぇを投げ出すやつがいんだよ。そういう尽くし方をしちまうやつがいんだよ」と蔦重を怒鳴りました。
あの場面では、ドラマとしての歌麿の気持ちに加えて「もうあんた、本当にそういうとこがダメ!」という自分の気持ちもシンプルに乗せて怒鳴りつけていました(笑)。それこそ「ここで俺が言うしかない」っていう。
でもそう言いながらも、歌麿の中では「結局この人は変わらないんだろうな」という、あきらめのような気持ちもあったんじゃないかな。
蔦重の魅力は、他人の気持ちを分かっているんだか、分かっていないんだか、どこまで狙っているんだか、狙っていないのか、といったところにもありますし。
やっぱり下町の人っぽいんですかね? それとも“天然”と言うべきか…(笑)。