「鈍感すぎる」から魅力的

「蔦重とこの先仕事をしない」ということを決断した際も、その理由として「恋をしていたからさ」と歌麿がほのめかしましたが…。蔦重は全く気づきませんでした。

繊細な歌麿からすれば、複雑な気持ちになっただろうし、なにより辛かったでしょうけど、個人的にはそれに気づいちゃったら「蔦重らしくないかな」と思っていました。

「鈍感すぎる」から魅力的というか、それでこそ蔦重なんだろうなって。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

それでいて器用なところもあるし、常に人情が伴っているから、最後にはみながついていく。

人情味がある人って、愛されるし、愛する力もありますよね? だからこそ“江戸のメディア王”となって世の中を動かし、たくさんの人に影響を与えられたんじゃないかな。

それに加えて、自分が惹かれたのは、僕自身が深川という下町生まれ、というところもあったのかもしれません。