「鈍感すぎる」から魅力的
「蔦重とこの先仕事をしない」ということを決断した際も、その理由として「恋をしていたからさ」と歌麿がほのめかしましたが…。蔦重は全く気づきませんでした。
繊細な歌麿からすれば、複雑な気持ちになっただろうし、なにより辛かったでしょうけど、個人的にはそれに気づいちゃったら「蔦重らしくないかな」と思っていました。
「鈍感すぎる」から魅力的というか、それでこそ蔦重なんだろうなって。
それでいて器用なところもあるし、常に人情が伴っているから、最後にはみながついていく。
人情味がある人って、愛されるし、愛する力もありますよね? だからこそ“江戸のメディア王”となって世の中を動かし、たくさんの人に影響を与えられたんじゃないかな。
それに加えて、自分が惹かれたのは、僕自身が深川という下町生まれ、というところもあったのかもしれません。