“江戸患い”とも

日清戦争(明治27年)では4万人を超える脚気患者がでて死者が4000人近くにのぼりました。日露戦争(明治37年)では25万人もの脚気患者がでて、全体の戦傷病死者が4万余人であるうち、脚気による病死者が3万人を占めたとされています。

また、千円札の肖像で有名になった北里柴三郎(1853~1931)は留学中に「脚気の原因は細菌ではない」と喝破してしまったために、帰国後は東大系の医学界から干されてしまいました。軍医であった森鴎外も、北里を強く批判した一人です。

(写真:stock.adobe.com)

江戸時代後期の日本では、1人1日3合(450グラム)ものコメを食べていたと推測されています(現在は1日150グラムほど)。おかずがあまり無く、コメで食欲を満たしていたのです。

とくに江戸では白米を多く摂取していました。そのため脚気の患者が多く見られ、この病気は「江戸患い」とも呼ばれていました。そのあたりはドラマ内で、妻のおていさんがしっかり指摘していたとおり。

また実際に”江戸っ子”である蔦重の食事の場面では、ごはんをどんぶり一杯に食べる様子がたびたび描かれていました。

かくして彼は「江戸患い」で亡くなることになったのです。

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