経営者やビジネスマンにも広く読まれたベストセラー

秀長を「日本史上屈指のナンバー2」として高く評価した堺屋さんの『豊臣秀長―ある補佐役の生涯』は、歴史ファンだけでなく経営者やビジネスマンにも広く読まれてベストセラーになり、元総理の菅義偉さんも安倍晋三内閣の官房長官を務めていた頃に座右の書として挙げていました。この本をきっかけに堺屋さんと菅さんとの間に親交が生まれ、令和元(2019)年に堺屋さんが亡くなったときに菅さんが弔辞を読んだ話はよく知られています。

堺屋さんの本の影響で、秀長の知名度は以前よりも上がったことは間違いないと思うのですが、まだまだ秀吉に比べたら遠く及びません。菅さんも、堺屋さんの本に出会うまでは、秀吉に弟がいることさえ知らなかったそうです。

『図解 豊臣秀長』(監修:本郷和人/興陽館)

堺屋さんが評価したように、秀長が大変に有能な人物だったことは確かです。兄・秀吉の右腕として多くの戦いで武功を挙げ、政治家としても手腕を発揮し、100万石を超える領地を支配する大大名となり、天正15(1587)年には従二位権大納言(じゅにいごんのだいなごん)にまで昇進しました。

農民の子から天下人に登り詰めた秀吉の偉業もすごいことですが、同じく農民からそこまでになった秀長も相当なものです。