生きていたら迷惑をかけてしまう

第2の危機に見舞われたきっかけはコロナ禍。それまでは金銭的な心配はせずに暮らしていましたが、コロナの影響で講演などが次々とキャンセルになり、収入が途絶えてしまったのです。

ある日、通帳を預けて経理をお願いしている方から、「預金が減っていますよ」と告げられ、初めて現実に直面。うかつにも、自分の経済状況を把握していなかったので、青天の霹靂でした。

収入がなくても、固定費は払わなくてはいけません。節約しようにも、家が古いので修繕費は必要ですし、庭木の水やりで水道代もかさんでいて。このままでは経済的に行き詰まってしまう――そう思うと夜も眠れず、食事もとれなくなり、再びうつになってしまいました。

とはいえ、親のほうから子どもに家計が苦しいとはなかなか言えないものです。また、子どもたちからも聞きにくいと思います。ですからたしか半年くらいは、二人の息子たちに黙っていたんじゃないかしら。

ある日、息子たちの前でふと、「私、もう生きていてもしょうがない。あなたたちに迷惑をかけるから、死んだほうがいいかもしれない」と言ってしまいました。

「生きていたくない」というのは、うつの症状のひとつ。以前のこともあるので、息子たちもすぐに気づき、長男の武(たけし)と妻の知子さん、次男の新(あらた)と妻の真裕美さんで話し合ったようです。

彼女たちが「お母さん、困っていることがあったら教えてください。私たち、なんでもしますから」とやさしい言葉をかけてくれたので、不安を包み隠さず話しました。

すると、「お金の管理は自分たちにやらせてもらえないだろうか」と提案してくれたのです。私は二つ返事で、お願いすることにしました。