あるとき、サンタモニカの海を見ていたら、なぜか突然詩が書きたくなって。海を見ながら膨らむ想像を言葉にしていったら、海の上に船で1人、荒波が来てもう戻れるかどうかわからない……という詩を、書き上げていたのです。
TM NETWORKの木根尚登さんに曲をつけてもらい、「暴れ海峡」という、演歌のようなバラードのような、おもしろい作品ができました。休養がなければできなかったことです。
ほかにも、お休みをいただいて本当によかったと思うのは、コンサートで歌えることのありがたみが身に染みるほどよくわかったこと。
22歳からやり続けて、自分のなかで当たり前になりすぎていたんですね。でも、コンサートがあるからこそ私は達成感を持てるんだということに気づきました。
みなさんの前に立って歌って、だれもが笑顔になっている光景を目にすることが、自分のエネルギーになる。喜んでいただきたくて歌っているつもりでしたが、みなさんの喜びこそが自分をがんばらせてくれていたとわかったんです。
「コンサートはお客さまも私自身もハッピーになれる神聖な場所なんだ」と改めて思うようになりました。