写真週刊誌の車
「あー、河本?」
「あー、はいはい、もしもしー」
向こうの車内では、引き続き盛り上がっているようで、キャッキャッという笑い声が聞こえてくる。
「今な、さっきのお店の店長さんから電話かかってきてな、ひょっとしたら写真週刊誌じゃないかって車が後をつけていったって言うんだよ。お前のほう、後ろから変な車来てないか?」
「あー、一台ワンボックスカーが来てますねー」
「そうか、じゃあまったく意味ないところで、一回左折してみ!」
「わかりました。―─すいません運転手さん、そこ左折していただけますか。……あっ、上田さん、後ろの車も左折しました」
「そうか、じゃあもう一回すぐ左折してみ!」
「わかりました。―─運転手さんすいません、そこまた左折していただけますか。……あー、やっぱりついてきますね」
「それ写真週刊誌だわ! もう一軒店とか行かず、そのまま女の子をちゃんと送り届けたら、真っすぐ帰れよ!」
「了解しました! すいません、ありがとうございます!」
ふー、なんとか事なきを得た、と安堵し、私も女の子を送り、そのまま家に帰り、一杯だけ祝杯をあげて、勝者の心地でスヤスヤと眠りについた。
次の日、一応確認しておこうと思い、河本に電話をし、あの後どうなったか聞くと、確かに車はずっと追いかけてきたが、そのまま女の子たちを送り、自分たちも家に真っすぐ帰ったので、なんの問題もなかった、とのことだった。私は、昨日のお店があるであろう方角を向き、再び感謝の祈りを捧げ、快哉(かいさい)を叫んだ。
ところが! それから約1週間後、なんと写真週刊誌にその件が載ってしまったのだ!
