上田晋也
(写真・有泉伸一郎)
司会者やキャスター、俳優などさまざまな分野で活躍する、お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の上田晋也さん。今回は、上田さんが40代の10年を振り返った初の書き下ろしエッセイ『経験 この10年くらいのこと』から一部を抜粋し、上田さんが赤裸々に綴った知られざるエピソードをお届けします。

練習〜息子がお箸で食べられるように〜

私が43歳、息子が3歳の時。まだ食事を取る手段がスプーン、フォーク、手の3種類だった息子に、もうそろそろ箸の使い方をマスターさせないと、ということになった。

ある日の夕食時、家内が息子に言った。

「今日からお箸の練習するから、頑張ってお箸で食べてごらん」

と買ってきたばかりの、アンパンマンのイラストが入ったお箸を渡し、持ち方を教え、食べさせてみることにした。もちろん、初日からうまくいくわけはなく、息子は途中で挫折し、スプーン、フォーク、手の三種の神器に持ち替えて、食ベ物と悪戦苦闘を繰り広げていた。