アメリカで最初に食べたバナナブレッド、だれかの手作りだった。ものすごくおいしかった。考えてみたら、お店で作ったバナナブレッドって食べたことがない。で、最初のその味、おいしかったことしか記憶にない。ねちねち嫌いのあたしは、ねちねちしてたら、おいしいと思わなかったはずなのだ。

今は他に家族がいないからね。ひんぱんに作っても文句を言われないから、それ以来作り続けている。強力粉で、中力粉で。レシピはグラニュー糖だけど、白砂糖で、三温糖で。バナナのつぶし方もいろいろと。オーブンの温度も。まだ研究の途中である。

ケーキを焼くのがうまい末っ子に相談してみた。そしたら、あたしがやってるより低い温度で長く焼くようだ。やっぱりバナナをつぶしすぎないのがコツじゃないかと言っていた。でも、言うのである、ねちねちでいいんじゃないか、バナナブレッドとはそういうもんなんだ、と。

在熊のアメリカ人の友人に食べてもらった。すると、このgooeyなのがいい、と言う。別の友人(中国人)にも、また別の友人(日本人)にも食べてもらった。この二人はバナナブレッドにはなじみがなかったそうだが、お世辞じゃなく、おいしい、と。そればかりか日本人のほうは、もともとねちねちの粉ものが好きだから、と言う。

ねちねちの粉ものって? 

かるかんとか、ういろうとか、あくまきとか、ねったぼとか。

最後のは聞いたことがなかったが、語感からしてねちねちの極致である。検索してみたら、この辺りの郷土食、干し芋に餅をつき混ぜて作るやつ。それなら食べたことがある。すごくねちねちしていた。