女性は家庭を守っていればよい
もう思い出の中で生きていくしかないと寂しそうにしているその人に、「大丈夫ですよ。まだ若いんだから、そのうちここでも新しい恋愛があるかもしれないじゃないですか」とその場を取り繕ったが、「いえ。この国の女性は私には無理です」と即答された。
「元妻は、穏やかで、知性と教養にあふれるビジネスウーマンだった。あんな女性にこの国で出会う可能性なんてありません」と断言された。
女性の知性や教養、ましてや自立が重んじられない男性優位の国では、確かに彼の言う通りなのかもしれない。私も何年か中東で暮らした経験があるが、結婚していながら社会の一線で仕事をし、同時に子育てもしているような女性にはひとりも出会わなかった。いたとしても、稀有なことは確かだろう。
教養があり、自立している女性は、男性の自意識を脅かすから結婚も難しい。社会を背負って立つのは男性の仕事であり、女性は家庭を守っていればよいという考え方は、昔の日本でも当たり前だったが、国によってはいまだに根強く浸透しているようだ。

