怪我のリハビリが新たな扉を開いた
競歩は、短距離走や長距離走に比べれば、どちらかというとマイナーな競技。小学3年生から陸上を始めた私でも、中学に入るまで競歩という種目の存在自体、まったく知りませんでした。まさかその競技が自分の仕事になるなんて、人生は不思議なものですよね。(笑)
母が短距離走の選手だったこともあり、私は走るのが大好きな子どもでした。小学校のマラソン大会では、女子のなかでつねに1位。地元のクラブチームで、楽しく走っていました。
中学校では陸上部に所属。京都の都大路を走ってみたいという憧れから、卒業後は駅伝の強豪校・北九州市立高校へ進学しました。入学した年は駅伝チームではまだ補欠。「来年こそ都大路へ」と意気込んでいたものの、1年生の冬に左すねを疲労骨折してしまったのです。
走る練習ができないリハビリ期間、競歩種目の先輩の後ろについて、見よう見まねで歩いてみたのがこの競技への第一歩でした。
競歩の歩型は、つねにどちらかの足が地面に接していること、前の脚は接地の瞬間から地面と垂直になるまで膝を伸ばすことが決められています。一度見たことがあればおわかりと思うのですが、「なんなんだ、この動きは!」と驚くくらい、最初はうまく歩けませんでした。