リハビリとはいえ体を動かすのは楽しく、先輩と一緒に30分ほどトラックを歩くことが日課に。2年生の大会前になっても長距離走の準備ができていなかったため、監督のすすめで女子5000m競歩の予選に出場することになりました。
意外にも、初めての大会にもかかわらず、審判からペナルティを受けずに歩ききることができたのです。
というのも、競歩は《陸上で唯一、判定制度がある競技》といわれます。先ほどお話しした2つの歩型の定義に反して、両方の足が地面から離れたり(ロス・オブ・コンタクト)、膝が曲がったり(ベント・ニー)すると、審判員から警告を受ける。
それが重なると、ペナルティゾーンで所定の時間待機しなければならない厳しいルール。なかには、失格になりゴールまでたどり着けない選手もいます。
そして予選を勝ち進むうちにタイムも縮んでいき、その年のインターハイでまさかの優勝。翌年には連覇を達成し、リオデジャネイロ五輪の競歩代表だった岡田久美子選手から、「次の世界大会、一緒に出ようね」と声をかけていただきました。
怪我をしたときには想像もしていなかったことですが、「私も競歩で世界を目指したい」と心が動かされ、高校卒業後は実業団に入ることを決めたのです。
