わたしたち医療従事者はプロとして患者さんの前に立つわけですが、患者さんの人生を代わりに送ることや、人生を大きく左右する意思決定を代わりにすることはできません。あくまでサポートなんです。
患者さんのいのちや人生は患者さんのものですし、たとえご家族であっても、患者さんのいのちや人生を100%コントロールすることはできません。終末期にいる患者さんが痛みや苦しみの中にいたとして、それを解決することや管理することはできないんです。
これが、たとえば肉じゃがを作ることで解決するとか、髪の毛をとかすことで解決するのであれば、家族でもそばにいる意味や価値を見いだすことができると思いますが、残念ながらそうではありません。
患者さん本人にとって大事な人であるはずのわたしたち家族が、役に立たない、意味をなさないという状況に耐えられないといったような背景も、在宅医療を続けていくことの難しさの要因だと思っています。
誰だって解決できない問題は、できないことを認めたくない自尊心や見栄のような感情がありますし、だったらプロにお願いしたいですからね。