在宅介護について、もうひとつ。先にもお話しした地域包括ケアシステムがうまくいっていないのも、基本的に家で介護をする&受ける需要が高くないからだと思っています。
核家族化や介護の社会化などいろいろ言われていますが、それよりも家族ではなく介護福祉士や看護師などプロのサービスを受けるのが当たり前であるという価値観が定着したことのあらわれではないでしょうか。
信頼しているパートナーに24時間面倒を見てもらうよりも、役割と業務内容が明確なプロとの関係の中でケアを受けるほうが、関係性へのダメージも少ないですよね。
介護って、身体の向きを変えたり、着替えさせたり、おむつを替えたり。約3kgの新生児と約50kgの成人、育児と同じようなことをしていても介護に必要なエネルギーは当然違います。
昔、妻をおぶったことがあるから在宅介護も大丈夫という男性に出会ったことがありますが、そのときの妻は意識のある状態でした。おぶられることを前提に、自身で身体に力を入れることのできる状態なんですね。
バレエやフィギュアスケートで女性がリフトされている映像を見たことがある人もいると思いますが、ああいう動きをしているとき、持ち上げている男性の感覚は実際の女性の体重よりも相当軽いんですね。女性自身が、自分の筋力で自分の身体を支えているから。