妊娠の負担の大きさ
<新刊では、避妊薬の歴史にも触れる。北村医師に大きな影響を与えたのが、家族計画の母と言われ、19世紀から20世紀にかけて米国を中心に活躍したマーガレット・サンガーだ>
今から100年以上前、マーガレット・サンガー(1879~1966)はニューヨークの貧民街で家族計画運動をスタートします。実はサンガーの母親は18回目の妊娠後に50歳で亡くなっていた。その時にサンガーは自分の父に「あなたが母を殺した」と言うんです。カトリック教徒だったから中絶できなかった。
その後、サンガーが貧民街で訪問看護師として働き始めると、健康を顧みず、出産を続けて貧困に陥る女性たちに出会います。当時はコムストック法という法律があって避妊法や避妊の情報にアクセスすることは禁止されていました。サンガーは、避妊指導や避妊方法を伝えたということで何度か投獄されています。
1950年、サンガーは後にピル開発の父と言われるグレゴリー・ピンカスと出会い、女性にとって安全な避妊方法を開発するよう依頼します。サンガーの話から分かるように、お産はおめでたいことではあるけれど、女性の体に与える負担は大きいのです。