平野 私も一時は、演じるキャラクターに合わせていっぱい衣装を持っていたんです。5年前、バブルのネタを1年くらいやってみたけれど鳴かず飛ばずで。ある時、昔やっていたキャラの衣装や小道具をとってあるということは、「バブルのネタ一本で勝負しよう」という覚悟ができていないってことなんだ、と気づいて。思い切ってばっさり捨てました。
椿 すごい!
平野 覚悟が決まったら、キャラがバンと腹に落ちて、進化させることもできた。モノを手放すというのは、モノとの向き合い方を通して、執着や逃げ道を手放すことでもあるんだと実感しました。
椿 今はネタに必要な小道具はなんでも売っているし、100均でも手に入る。それに必要だったら、テレビ局の人が用意してくれるものね。
平野 あと、テレビに出られるような自分になりたい。そう未来の自分に期待を寄せるというか、きっとなれると自分を信じることができたから、捨てられたのだと思います。
節目ごとに徹底的に処分しよう
椿 結婚してからは2LDKの家に住んでるんだけど、荷物が2部屋を占めてて。ダンナはそんなにモノを持っていないから、ほぼ私のもの。祖父が持っていた箱入りの掛け軸とか、開けないままでとってあるものもあります。カセットテープや、自分が出た番組のビデオテープも捨てられないし。
平野 ということは、ビデオデッキやカセットプレーヤーもまだ持っているんですか?
椿 そう。再生できないと困るから。でも、一度もビデオテープを見直したことないし、カセットも聞いたことない。だから、いらないはずなのよ。頭ではわかってるの。
平野 私は節目ごとに、DVD類を捨てるようにしているんですよ。今年は2020年という区切りの年なので、また徹底的に処分しました。
椿 5年前にすごく捨てたのに?
平野 いくら普段から気をつけていても、時々思い切って捨てないと、いつの間にかモノが増えちゃうので。デビュー当時から自分が出た番組を全部DVDにしてとってあったんですけど、今回はそれも全部処分しました。
椿 すごい! 思い切ったね。
平野 だって、自分が出た番組を録画して、デッキがいっぱいになったらDVDに移すっていうこの作業をいつまで続けるんだろうと考えたら、急にイヤになったんです。テレビに出ることを特別と思わず、いつでも出られるような人になろうという思いを込めたのもあります。