中国で原付自転車に轢かれた時……
私は一度、中国で横断歩道を渡っていて、横から飛び出してきた原付自転車に轢かれて倒れ込んだことがあった。足を引きずって起き上がれないでいると、運転手の中年男性が私を指さして大声で詰(なじ)った。
「おまえのせいでミラーが曲がってしまったではないか、ただちに弁償しろ!」
私はフラフラと起ち上がって反論を始めたが、足が痛くて声は掠れぎみだ。運転手は集まってきた野次馬たちに向かって大演説をぶち、駆けつけた交通警官にも大声で主張した。その結果、交通警官は私に言い放った。
「たしかに轢かれたおまえが悪い。いますぐ30元(約600円)を運転手に払え」
翌日から私は、朝起きると鏡に向かって、身振り手振りを交えて、大声で発声練習することにした。以来、罰金は取られなくなった。
※本稿は、『ほんとうの中国 日本人が知らない思考と行動原理』(講談社)の一部を再編集したものです。
『ほんとうの中国 日本人が知らない思考と行動原理』(著:近藤大介/講談社)
中国人と日本人。
なにかとすれ違う背景には、日本人が知らない中国人特有の思考と行動原理が背景にあった。




