制度が今後の就業状況に影響を及ぼす可能性も
<1. 保育士の53.7%が制度に「不安」と回答、業務負担や子どもの安全面への影響を懸念>
現役の保育士・幼稚園教諭に「こども誰でも通園制度」に対する考えを聞いたところ、「不安である(27.0%)」「やや不安である(26.7%)」が合計53.7%となり、過半数が不安を抱いている実態が明らかになりました。
一方、「期待している(4.2%)」「やや期待している(18.1%)」は合計22.3%にとどまるものの、一定の期待も見られました。
制度に期待している点としては、「保護者の子育て支援や孤立感の軽減につながる(51.8%)」「子どもの成長や発達を支える機会につながる(29.8%)」が上位に挙がりました。一方、不安を感じている点としては、「子どもの特性把握や個別対応に伴う負担増加(61.0%)」「事故や感染症など安全・衛生面でのリスク増加(39.0%)」が多く選ばれています。
こうした結果から、制度には保護者支援や子どもの成長機会といった社会的役割に対して期待が寄せられる一方、一時利用の子どもの増加や多様化に伴う、保育士の業務負担や安全管理への懸念が示される結果となりました。
<2. 保育士の4割超が「子どもと関わる時間不足」を実感、そのうち約7割が「事故・ヒヤリハット」発生リスクを認識>
勤務先で子ども一人ひとりと関わる時間がどの程度確保できているかを聞いたところ、「あまり確保できていない(31.8%)」「ほとんど確保できていない(9.2%)」が合計41.0%となり、4割超えの保育士が子どもと十分な関わりを持てていないと認識していることが明らかになりました。
さらに、十分な時間を確保できていないと回答した保育士に、時間が不足した場合に懸念されるリスクについて聞いたところ、「事故・ヒヤリハットの増加(70.1%)」「子どもの体調や発達面での変化の見逃し(57.1%)」が上位に挙がりました。
こうした結果から、保育現場では制度導入前の段階でも、子ども一人ひとりと十分に関わる時間の確保が難しい状態にあり、その時間不足が保育の質や安全性に影響を及ぼす可能性を、保育士自身が認識していることが明らかになりました。
<3. 2人に1人が制度開始後の働き方に「不安」と回答、人材確保や待遇改善が課題に>
制度開始をきっかけに、働き方や転職意向への影響について聞いたところ、2人に1人が「現職を継続したいと思っているが、働き方に不安がある(51.0%)」と回答しました。
また、「より働きやすい園への転職を検討する(10.3%)」や「保育業界以外への転職を検討する(7.5%)」と回答した人も一定数おり、制度が今後の就業状況に影響を及ぼす可能性が示されました。