全国から届いた食材で作った、ある日のランチ・1(写真提供:藏光さん)

人のぬくもりで食卓が彩られる

物々交換にルールはあるのかと訊ねると、さっぱりとした答えが返ってきた。

「ルールは何もなく、値段や量の釣り合いも求めていません。たとえば5キロ5000円のみかんと、5キロ4000円の米との交換でもいいし、送り合う時期がずれてもかまわない。思い出したころに届くのが嬉しいんです」と、穏やかな表情だ。

お金を介さず喜ばれることの楽しさを知り、ふたりは積極的に輪を広げていった。

「大阪のマルシェに出店したとき、隣のブースの農家さんに『交換しませんか』と声をかけたり、知り合いの飲食店から、『こんな農家さんいるよ』と、紹介してもらったりします」

物々交換仲間の約8割が、実際に会ったことのある相手だ。

「ネットだけのやり取りだと、どうしても、『値段はいくらにしますか』と形式的になってしまう。でも、一度でも顔を合わせていると、『この人たちなら、こういうやり方でいけそう』って、お互いに感覚でわかり合えるんです」と俊輔さんは話す。