最期に寄り添ってくれる医師や施設を探しておく

「リビング・ウイル」を書いて家族とも人生会議をしているけれど、そこに加わってくれる医師はどこにいるのか、ともよく聞かれます。

正直に言って、「リビング・ウイル」を理解しているのは、全国およそ34万人の医師のうち4分の1以下でしょう。最期に寄り添ってくれる医師を見つけるには、自ら情報を取りにいかなくてはなりません。

在宅医はもちろん、今は介護施設や病院にも、「リビング・ウイル」を理解し、推奨しているところがあります。逆に、看取りは行わず最後は病院へ搬送する方針の特養(特別養護老人ホーム)もたくさんある。施設を決めるときは必ず事前に訪れて、「最期はここで死ねますか?」と真正面から聞いてみる。最期を過ごす場所を本気で探しましょう。

最後に、混同されやすい治療の違いに触れておきます。

脳出血や心筋梗塞などで心肺停止状態に陥り、救急搬送された場合に行われる心肺蘇生や点滴は、延命治療ではなく救急救命処置。心拍が再開して一命を取り留めたものの、意識が戻らないまま数ヵ月経って「遷延性意識障害」に移行すると、そこから先の医療処置は、同じものでも延命治療になります。

このとき本人には意識がないので、家族と医療従事者のみで人生会議を行うことになりますが、意識が戻る可能性はほぼないものの、ゼロとは言い切れない状況。非常に難しい選択を迫られる中で、もし本人が元気なときに書いた「リビング・ウイル」があれば、その意思を尊重した選択ができるのです。

年末年始など、家族が集まる機会に、ぜひみんなで話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

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