生活空間を「ミニマイズ」する

それでもそもそも家の値段は高すぎる。やっとローンの返済が終わったあとにまた家のことを考えなければならないのは勘弁してほしい。ましてやお金の問題もあって、とてもじゃないが、家を買い替えることなどできはしない。多くの人はそう考えます。

ミニマイズという言葉があります。自分の生活環境を年齢や体調、家族構成など変化に応じて縮小していく考え方です。これまでは70平方メートルの3LDKに家族3名ないし4名で暮らしていた家。これからもこの広さは必要でしょうか。子どもが巣立っていったあとも子どもの部屋をそのまま残している人が多いと聞きます。

『50歳からの不動産-不動産屋と銀行に煽られないために』(著:牧野知弘/中央公論新社)

仕事がうまくいかない、離婚するなど子どもの有事に備えて部屋をそのままに、などといいますが、この空間自体が自分たちの生活に全く貢献していないことを認識すべきです。親の子離れが必要です。

普通の夫婦であれば、1LDKで普段の生活は十分のはず。最近は夫婦別部屋にするケースも多い、または趣味の部屋などを確保しておきたいなどの理由があっても2LDKもあれば十分です。クローゼットを占拠している衣服やもう絶対に使うことのなくなった趣味の品、雑貨類などの断捨離をすることで、70平方メートルの生活空間をミニマイズすることができます。

本当ならば、定年後に生活する家については別のマーケットが存在してもよいと私は考えています。若いころに似合った服でも歳をとると恥ずかしくて着ることができないのと同様に、家も歳とともに「似合う」家が変わってくるのではないでしょうか。

夫婦だけで暮らすなら住戸面積はもう少し狭くてもよいと考えれば、小さくて価格も安い家に買い替えれば、大きな資金負担なく買い替えることが可能になります。