午後4時くらいまで授業を受けたあとはアルバイト。入学金や授業料は親父が出してくれたけど、家賃や生活費は自分で賄おうと、新橋から銀座までうどんの屋台を引いたり、銀座のバーで働いたりしていました。
このバイトを一緒にやっていたのが2年先輩のナカヤマさん。昨年12月に亡くなってしまったんだけど、劇団四季を辞めてしばらく仕事がないときにカンパをしてくれたり、本当にお世話になった人なの。
普段は簡易宿泊所みたいなところで寝起きしていて、学生だとバカにされたらいけないからと、寅さんが着ているような肌着の黒を着て箔をつけたりしてね(笑)。面白い人だった。僕が借りていた三畳ほどの布団部屋にも、時々泊まりに来ていましたよ。
僕は舞芸入学を機に一人暮らしを始めました。家賃は確か、3000円か4000円。友だちの車に鍋釜布団を乗せて引っ越ししたんだけど、おふくろは号泣していたらしい。「マサが出て行っちゃったよ」と親父に泣きついたって、あとで聞いたんだよ。
その気持ち、親になった今はよくわかる。親なんてもう、心配ばっかりだもん。でも、なるようにしかならないからね。信じて応援するしかない。親父とおふくろも、そう思って送り出してくれたんだと思う。