2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」が、2026年4月1日以降段階的に施行される予定です。しかし、年金制度になんとなく疑問を持っているという方も多いのではないでしょうか。確定拠出年金アナリストの大江加代さんは「誤解にもとづいた炎や煙は私たちの心に『年金はあてにならない』というイメージを強く残し、老後への不安から現在の暮らしを楽しむという幸福を奪うことさえあり、非常にもったいないこと」と指摘しています。そこで今回は、夫の故・英樹さんとの共著『知らないと損する年金の真実 - 改訂版 2026年新制度対応 -』より、一部を抜粋してお届けします。
年金は「共助」
2020年9月、当時の総理大臣が就任後に「自助、共助、公助」という話をして話題になったことがありました。これについては「国の責任を放棄するのか!」とか「何でも自己責任にするのか!」といった少しピントのずれた意見が出てきましたが、よくよく考えてみると言っていることは何も特別なことではなく、ごく当たり前の話に過ぎません。
人が生きていくためには、まず働くことが第一であるのは当然です。親の財産で一生働かなくても食べていける人などほとんどいないでしょう。大部分の人はまず自分で働いて生計を立てるというのが当然です。
ところが、不幸にして病気や事故で障がいを負ってしまった人は働くといっても限度があります。あるいは年をとって定年退職したり、引退したりした人は収入がありません。
そういう人たちを社会全体で面倒を見ましょうというのが共助であり、その財源となるのは社会保険料です。