年金の本質は「扶養機能を社会的に制度化」したもの

では、ここでごく簡単に我が国における年金の歴史を振り返ってみます。現在、20歳以上、60歳未満の全ての国民が加入する国民年金(基礎年金)が誕生したのは昭和36(1961)年です。それ以前も一部、公的年金はありましたが、国民皆年金という仕組みが始まったのはこの時でした。

では、それまで公的年金がなかった時代は、年をとって働けなくなった人はどうやって生活していたのでしょう。図1をご覧ください。

<『知らないと損する年金の真実 - 改訂版 2026年新制度対応 -』より>

公的年金制度がなかった時代、親の生活の面倒は子供がみていました。もちろん自分で蓄えるのが基本でしたが、その蓄えた財産を相続するのは、戦前の場合だと長男でした。長男は親の財産を全部相続できる代わりに親の面倒をみていたというケースが多かったのです。もちろん子供がいない場合もあるでしょうから、その場合は兄弟や親族、場合によっては地域で助け合うということもあったでしょう。これは言わば“互助”の考え方です。若い時に親の面倒をみてきたから、自分が年取った時には面倒をみてもらえる、という世代間による互助ですね。

ところが時代が変わり、戦後の高度成長期になると、子供たちはどんどん都会に出て行ってしまいます。そのため、“互助”の考え方があまり現実的ではなくなってきたのです。