「自分はまわりの人の影響はそんなに受けていない」と思っている人もいるかもしれませんが、意識していなくても脳は勝手に真似ようとするものです。

たとえば、数人で談笑しているとします。全員がダラッとした姿勢でいるのに、ひとりだけ姿勢よく胸を張っていたら、なぜだか浮いてしまっているような気がして居心地が悪くなり、ほかの人と同じ姿勢になっていく――。

運に繋がる種も同じで、身近な人が《拾おうとしないタイプ》だと、気が引けて自分も拾えなくなることがあります。つまり、環境によって脳の思考パターンは変わってしまうということ。

ですから、運がよく見える人の近くにいれば、おのずと思考や行動パターンが似てきて、自分も運がいいと思えるようになってくるでしょう。

人によっては、ゲン担ぎやおまじないなども効果を発揮するかもしれません。神社やお寺でお祓いをしてもらう、胎内くぐりをする、滝に打たれるなど、「運の悪い私を断ち切って、生まれ変わる」ために実際に行動することで気持ちに変化をつけられるのならば、それらは脳へ働きかける有益な方法のひとつとなるでしょう。

大事なのは、自分の脳を可愛がってあげること。

言葉では伝えられない新生児や、ペットの犬や猫に対して、「こういうときはお腹が空いている」「寂しいのね」ということが経験の積み重ねによって感覚としてわかるように、自分を客観的に観察し、困難に見舞われたら「いろいろと大変なこともあったよね。でも、大丈夫!」と言い聞かせ、頑張ったときは、「よくやった! えらい!」と語りかけ、自分を労わってあげましょう。

その実践が、運を引き寄せるコツだと思います。

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